モリオカ三行日記(ブログ)

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zoom RSS 多分十年ズレの分野

<<   作成日時 : 2008/09/06 16:06   >>

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 連チャン出張の東京編については、結果が出るまでは多分色々言ってはいけないので省略。
 で、北海道編ですが、第五十八回東北・北海道地区一般教育研究会という会議(?)に出席したわけでした。


 数々の報告の内容は、斬新さにこそ欠けるものの、各大学で地道に真正直に教育改善に取り組んでいるのだなあという印象を与える。

 ただし、ここで議題となるのは「狭義の専門教育とは区別される一般教育」なのだけれども、短大教員という立場で出席していると、その区分自体には少し乗り切れない部分がある。短大2年間のプログラムで「専門/一般」を内実として明確に区分することはほぼ不可能といっていい。ある見方をすれば「短大で教えられることは広義の一般教育的内容であり、専門的技能については職場での研鑽・成長に期待し、それを社会人研修等で後方支援する」ということになるだろうし、別の見方をすれば「短大2年間で専門的職能を訓練するので、基礎教養は社会に出て実践的に身につけて欲しい」ということになるだろう。そして、そのどちらの見方をとるかは、学科の特性によって大きく左右されることになるが、共通しているのは、一般教育科目というくくりがほぼ意味をなさなくなってきているということだ。文部科学省厚生労働省等の指定する資格必修科目(実習)数にも大きく影響されているのだが、このような慌ただしさは、4年間という猶予のある4年制大学とは随分異なるのだろう。

 で、そのような短大という立場を踏まえて参加した今回の会議で感じた違和感は二つ。一つには、専門教育との区分を意識しすぎて、一授業完結型の教育プログラムが目立ち、受講者にとって連続性継続性を欠くと思われるものが多いこと。もうひとつは、「教養」=「(読書レポート)添削」という安易な発想がかなり広く行き渡ってしまっていること。

 前者については、たまたまお会いした同業界の方と、「もう専門(大学院授業担当者)にキチンとニーズ調査とかしてしまえばいいんじゃないか」なんて軽口を叩いていたのだが(もちろん、そういうことをしたらばまた教養/学部/大学院の階層差が問題になってくることは分かり切っている)、ある部分ではあながち冗談ではない。というのは、もうひとつの懸念、「読書レポートがキチンと書けることが教養なのか?」というところに繋がる話で、要するに教養の定義が飲み屋の与太程度にぶれてしまうところで議論が進んでしまう危険性はないのか?ということである。これはあくまで自戒をこめて付け足すのだが、机の上の教養ではダメだとばかりに体験学習を導入しても、そこでどうコミュニケーションスキルを育成するかという工夫を放棄すれば、それは単なる遠足になるばかりで。地域連携と教育と広報とが癒着していいのか、というご批判はまったくごもっともで。それを何とかするために教員がキチンとカリキュラム構成とその運営管理を行わねばならないのだ。

 ごく率直にいって、文学研究という分野における全体的・構造的なFDは、他分野に比べて10年ほど遅れているようだ。学生の興味を惹きたいからという理由でサブカルに手を伸ばしてみる程度の話はFDなどととても言えないだろう(それ以外の理由で対象領域を広げている人の方が多いだろうし、自分もそのつもりではあるが)。理工系の、「学問のディシプリンに沿った大学カリキュラムを学会・研究会で議論する」等という状況を、口アングリ状態で眺めるばかり、ズレは明らかだ。そして、多分そのような凹凸のせいで、文学研究の成果はまったくブラックボックス化してしまって、作文教育が教養だというようなオチから離陸する批判的な展開が見えなくなっちゃってるのではないだろうか。要するにこれはこちらの業界の責任が結構でかいのではないか、と思ったりする。

 ああ、じゃあ国語科教育研究ってのはどうなんだとか国語科と文学と言語学とはどう領域設定するんだとか面倒なところに話がよれていきそうなのだが、結論としては、北海道土産に買ってきた白いトウモロコシ、ピュアホワイトはめちゃくちゃ美味いのでみんな喰ったらいいんじゃないかということなんです。モゴモゴ。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
よーし、わしもあくまでも自戒を込めて言っちゃうぞー。われわれのやるべきことはガキの頃から漢文の素読をがっつりやることだったんだよっ!!!
はぐれマカー
2008/09/06 20:38
「自戒」の部分は結構真顔で書いてたのでそうつっこまれても返せません(><)
「連携」部会に出ていて、報告者に質問が出るたびに、客席でなぜかアタフタしてましたもん。
…漢文の素養が無さ過ぎるというのもシビアでリアルな課題ですが。
morioka
2008/09/06 22:11
読書レポートが自分の考えを書くだけのものなら教養ではないかもしれませんが、自分の考えを他人にわかってもらうように書くのなら教養になるのではないかと思います。せんせい、どうですか。
あと、ピュアホワイトは生でも甘いですよ。子供の頃はスイートバンタムが主流でしたが、近頃の野菜はどんどん糖度があがってますな。そのうち全部フルーツみたいになるんじゃないでしょうか。
絵描き屋
2008/09/09 14:01
ウチの学科では読書レポートをキチンと書くために1年間の基礎ゼミを開講してますが。けどねえ、多分問題は書く側じゃなくて添削する側にあると思うのよ。いったいどういうレポートが望ましいのか、その基準が大事なので、「読書レポートなら誰でも添削できるのでは」という予断ばかりが先走る様子を怖れております。
ピュアホワイト、あれなんであんなに柔らかいわけ?フルーツトマトなど比べものにならない衝撃。北海道以外ではできないのかなあ。
morioka
2008/09/12 23:45

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