モリオカ三行日記(ブログ)

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zoom RSS ゼミ学生への手紙

<<   作成日時 : 2006/12/31 00:04   >>

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 卒業研究の添削をe-mailで続行しているのだが(これってなんてe-learning?)、年末の模様をお伝えすべく転載。全ての元(文学部)学生のみなさま、雰囲気は懐かしいでしょ?ww

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 遅くなってしまいました。
 原稿読みました。
 力作だと思います。
 ただ、ちょっと力はいりすぎてよくわからん部分がありますがww。
 (例えば、小川@『ホテル・アイリス』の解釈をするあたり。もう一度読み直してみてね。)

 拝読しながら、うん、成る程これは途中で詰まっちゃったかなとも思いました。
 この論文の中心テーマは、実は「人形とは何か」ではなくて、「自分とは何か?」になっていることに、気が付いていますか?
 当初気になっていたベルメール、澁澤の文脈からは随分離れた場所まで進んできましたが(これは論文の進み方としてオッケーです、気にすることはありません)、ここまで来てようやくつかめそうになっている自分のテーマを、今一度深く考え直してみて下さい。

 岡崎@『ヘルタースケルター』でりりこの対極に登場するこずえが、『リバース・エッヂ』で繰り広げるあがきの数々は、他者からの評価を通して自己肯定する(理想的な自分を実現する=りりこになる)ことと同じく、他者からの評価を拒否して自己肯定する(理想的な自分を拒否する=りりこにならない)ことにも、大いなる矛盾と苦痛とが伴うことを示しているのではないでしょうか。

 そもそも、「自分」ってなんでしょう。
 よく、「自分の信念を貫く」とか「自分の気持ちを大事にする」とか「旅に出て一人になって自分探しをする」とか言いますが(最後のはW杯以降続けている人がいますね、そういえば)、その「自分」には、どこかで「他人」が関わってきてしまっているはずです。「自分」をある一定のモデルに沿って「他人」にしていく(演じる)ことは可能だ、けれども、「自分」が「混じりっけのない自分」になろうとする時、その方法もゴールも誰も教えてはくれません。どこまでいったら「それが純粋な「自分」です」と言えるでしょう?言うのは誰?

 ここの部分、ダイエットを論じた部分とも繋がるはずですね。例えば、一般人は雑誌モデルを目指してダイエットする、雑誌モデルは海外セレブを目指してダイエットする、海外セレブはでは誰を目指して??どこまでいったらこの伝言ゲームはとまるでしょうか?「美しい体型とは何か」のお手紙どこのヤギさんがたべちゃった?

 そもそも、「他人」がいなければ、「自分」とは何か、伝える必要は勿論、決める必要もありません。なのに、ですよ、にも関わらず、です、「他人」は「自分」を「自分」の思った通りに見てくれたりはしないわけです。だって「他人」だし。
 まさしく、寺山@『青森県のせむし男』の言うとおり、「自分になるのはむずかしい、それはなかなか出来ないこと」ですよね。

 しかし、だとすれば、川端@『眠れる美女』の「何も与えないから愛する」の意味も、何となく見えてくる気がしませんか?楠本@『致死量ドーリス』の蜜が、ああいうキャラだったにもかかわらず、岸や画家を必要とした(してないように見えて、しているでしょう?)のはなぜでしょう?彼女は、「画家」なくして「ドーリス」になれたでしょうか?この2本のテクストは、ある意味で非常に幸福な自己肯定のユートピア物語です。幸福な、というのは、びっくりするほど摩擦がない、という意味で(『眠れる美女』の方には、少女/老人という、生死を巡る摩擦の要素が入り込んでいますが)。多く登場したという「自称蜜」たちは、けれども滑稽かつ残虐なことに、蜜にはなれなかったはずですよ。一緒に破滅することで、蜜であることを保証してくれる「他人」が、その「自称」の彼女たちにはいないから。しかし、たとえそのような理想的な「他人」が登場したところで、こずえの嘔吐を知る我々は、その自己肯定のユートピアを、既に肯定できないはずです…。

 さて、いささか抽象的なことばかり書いてしまいました。全体の論旨を整理するのには、取り敢えず一回頭の柔軟体操が必要かな、と思ったので。
 もっと具体的な書き直し指示を期待していましたか?ごめんねww。
 けど、後は「自分」で頑張って下さい。
 全体を見直してみて、自分の結論が最も出てきやすいように理屈を整理してみて下さい。現在ちょっと行きつ戻りつしてる感じ。ひょっとしたら採り上げるテクストの順序も変えた方がいいかも知れませんよ?

 今年は暖かいなと思っていたら、ついに降りましたね。
 ようやく卒業論文執筆の雰囲気が盛り上がって来ましたね。
 やっぱりこうじゃないとね。自分の時のことも思い出したりして。
 ちょっと寝ないくらいの勢いで頑張ってごらん?あとあと絶対自信になるから。
 他のモリオカゼミのみんなも、続々と草稿を送ってきています(一番心配なあたりからは来ないんだけど…)。終わったら盛大に打ち上げするといいよ!楽しいぞ〜。 

 俺も、原稿終わらなくて今日まで仕事納めできません。
 今日、腹減って飛び込んだ蕎麦屋で天ぷらそば頼んだら、何かこうマンガに出てくるような見事なエビが2つほどのってて、絵に描いたような年末だと思って嬉しくなりました。そんなあわただしくもほのぼのした年越しです。

 では、よいお年を。そしてよい卒研を。

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コメント(3件)

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年末、お疲れ様です。楠本@「致死量ドリース」に思わず反応。なんとも懐かしいですー

学生の皆さん、今の内にたくさん苦しみなされ。
社会人になったらもっと苦しいことだらけですからね。
…「もっと勉強したかったなぁ。」って思う日が必ず来るはずです。
yuko
2006/12/31 18:49
今年の卒研、マジメな子は極端にマジメにやってるよ。今日も休日出勤して夜9時まで添削指導。
ああいうの、仕事ではないという意味では自己満足なんかもしれんけども、やっぱり楽しいよねぇ。
morioka
2007/01/14 01:24
-
ThomasCymn
2017/02/18 13:22

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